シミを消すには?きれいに治すコツをご紹介
2024年9月6日
男女問わず多くの人が悩んでいるシミ。
顔のシミは、顔色を暗くさせてしまうため老けて見えやすく、一度できてしまうとなかなか消えずに困っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、シミの原因やシミができる前の対処法、主な治療法、きれいに消せるレーザートーニング・IPLフォトフェイシャルについて詳しく解説します。
目次
シミの原因を知って予防しよう
シミは一度できてしまうとなかなか消えないため、まずはシミの原因を知って予防すること、今あるシミをさらに増やさないようにすることが大切です。
原因は紫外線であることが多いですが、種類によっては別に原因がある場合もあります。
シミの種類と原因
「シミ」は一般に使われる言葉で、医学用語では後天性のメラニン色素沈着症のことを指します。
メラニンとは私たちの肌の色などを構成する黒色の色素で、これがシミの原因です。
メラノサイトという細胞の中で、チロシナーゼという酵素の働きによりアミノ酸であるチロシンが変化して作られます。
肌が紫外線などでダメージを受けるとメラノサイトが活性化して、メラニンが過剰に作られるようになり、シミができやすくなります。
シミには老人性色素班や肝斑、そばかすなどさまざまな種類がありますが、実際にはこれらが混在している場合が多いので、自己判断で決めるべきではありません。
種類によって治療法が異なるため、まずは美容皮膚科などの専門医に診てもらい、自分のシミがどの種類なのかを知ることが第一歩です。
老人性色素班
日光黒子とも呼ばれ、日光が当たりやすい顔や手の甲、前腕などにできるシミです。
加齢とともにできる傾向があるため「老人性」という名が付いていますが、20~30代でも発生し、シミの中で最も多い種類といわれています。
老人性色素班の原因は紫外線であるため、対策は紫外線を避けることです。
1年を通して日焼け止めを使用することや、UVカットの帽子、日傘、カーディガンの使用などを徹底しましょう。
また、皮膚のターンオーバーを正常に保つために、食事や睡眠、ストレスなどの生活習慣を見直すことも大切です。
一度できてしまうと改善が難しく、セルフケアだけでは薄くすることはできても消すことは非常に難しいといわれています。
肝斑
境界がはっきりしないさまざまな形状のシミが、両側の頬など左右対称に発生します。
鼻の下、額、口の周りなどに発生することもあります。
男性の症例は少なく、30~40代の女性や妊娠中、ピル服用中の女性に発症しやすい傾向があり、閉経すると自然に治癒することが多く見られます。
高齢での発症はほとんど見られません。
以上のことから、女性ホルモンのバランスが発症に関わっているとされますが、紫外線により症状が悪化することから、対策は紫外線対策やスキンケア時の摩擦を避けることなどが挙げられます。
マッサージや間違ったレーザー治療の刺激で肌のメラノサイトが活性化し、肝斑を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
そばかす
雀卵斑(じゃくらんはん)と呼ばれ、茶色の小さな斑点が鼻や頬を中心に現れます。
顔の他、腕や肩など体に現れることもあります。
遺伝的な要素が強いため、若い頃から現れやすく対策するのが難しいですが、紫外線の影響を受けるため日頃のUVケアが大切です。
シミの治療法
シミは外用薬や内服薬で治療できる場合もあります。
しかし、濃いシミは多少薄くなることはあっても、セルフケアだけできれいに消すことは非常に難しく、レーザーや光治療を併用すると効果が出やすいです。
外用薬(ハイドロキノン、トレチノインなど)
シミの外用薬には、ハイドロキノンやトレチノインがあります。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは天然にも存在する成分で、高い還元作用を持ち「肌の漂白剤」とも呼ばれています。
シミの原因となるメラニン色素を作り出す「メラノサイト」という細胞の働きを抑制することから、シミの予防や改善に使われており、老人性色素班や肝斑、色素沈着によるシミに効果があります。
高い美白効果がある反面、使用方法を誤ると肌が白抜けする、シミが濃くなるなどのトラブルも起きやすいため、皮膚科で処方してもらうのがおすすめです。
トレチノイン
トレチノインはビタミンAの誘導体であり、皮膚のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)を促進する効果を持っています。
通常、皮膚はターンオーバーで2か月程すると生まれ変わりますが、トレチノインを使用するとその間隔が短くなります。
シミの原因であるメラニン色素の排出も早くなるため、美白治療に使われます。
ハイドロキノンとトレチノインは併用して使われることも多く、トレチノインでメラニン色素を外に押し出し、ハイドロキノンで新しいシミを抑制するのが効果的です。
内服薬(ビタミンC、トラネキサム酸、L-システインなど)
シミの内服薬には、ビタミンC、トラネキサム酸、L-システインなどがあります。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性のビタミンで、普段摂取する野菜や果物にも含まれています。
このビタミンCにはメラノサイトの活性化や、チロシナーゼ酵素の産生を抑える働きがあるため、メラニンの生成の抑制に効果的といわれています。
また、作られたメラニンを無色に還元する作用もあり、できてしまったシミを薄くする効果も期待できます。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は主に肝斑の治療に使われます。
元々は止血剤として開発された治療薬で、必須アミノ酸であるリジンをもとに合成されたアミノ酸の一種です。
プラスミンという酵素の働きを抑制する効果から肝斑、シミの治療に使われます。
皮膚に炎症が起こると、このプラスミンが多く作られますが、プラスミンはメラノサイトに作用しメラニンを多く作らせるもとになります。
トラネキサム酸はこういったプラスミンの働きを弱めるため、肝斑やシミに効果があると考えられているのです。
L-システイン
L-システインは皮膚や爪、髪の毛などにも多く存在し、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で皮膚の代謝に関係しています。
ビタミンCと協力してメラニン色素の生成を抑制、また、体外に排出する作用もあるため、シミやそばかすの治療に用いられます。
日常の食事から多量に摂るのが難しく、欠乏しやすい栄養素であるためサプリメントや医薬品が使われることもあります。
レーザートーニング
レーザートーニングとは、微弱な力のレーザーを均一に照射し、肌への刺激を抑えながらゆっくりとメラニンを減らしていく治療法です。
従来は改善が難しいとされてきた肝斑に効果があることと、肝斑以外のシミ、そばかす、くすみ、ニキビ跡などによる色素沈着、毛穴の開きにも効果を発揮することから注目されています。
刺激が少ないため、回数を重ねることが可能です。
徐々にメラニン量を減らしていくことで、肌のトーンアップが期待できます。
IPLフォトフェイシャル
IPLフォトフェイシャルとは、IPL(Intense Pulsed Light=インテンス・パルス・ライト)というフラッシュランプを照射して、肌を良い状態に導く治療法です。
肌への刺激が少ないこと、ダウンタイム※が短いことから、初めて美容医療を受ける人も気軽に受けやすい施術として人気を集めています。
IPLの数値を細かく変えられるため、個人に合わせたさまざまな肌悩みに対応できるのも特徴です。
※ダウンタイム:治療を受けてから、赤みや腫れなどが引いて皮膚の状態が落ち着くまでの期間のこと。治療の内容や個人の体質によって期間は異なる。
レーザートーニングとIPLフォトフェイシャル
日々のセルフケアだけでは改善が難しいシミ。
肌への負担が少なく、高い効果が認められているレーザートーニングとIPLフォトフェイシャルについて、さらに詳しく解説します。
光の届く長さと照射時間
美容マシンは大きく分けて「レーザー」を使うものと「光」を使うものがあります。
光とレーザーの違いは、主に光の届く長さ(波長)と光の照射時間(パルス幅)です。
「レーザー」は波長が長く、パルス幅が短いためシミなどの対象に直接アプローチできます。
一方「光」は波長が短く、パルス幅が長いのが特徴で、肌の悩みのある部分に広く浅く効果を発揮します。
この光の届く長さ(波長)と光の照射時間(パルス幅)の組み合わせによって、さまざまな悩みに対応できるようになり、治療後のダウンタイムも異なってきます。
悩みに対してピンポイントに改善させるのがレーザー、肌質を全体的に改善させるのが光、というイメージです。
レーザートーニング
レーザートーニングは悩みに合わせて種類があります。
レーザートーニング
微弱な力のレーザーを均一に照射し、肌への刺激は最小限にしながら色素(メラニン)のみを破壊する方法です。
蓄積したメラニンに少しずつアプローチするため、シミを根本から改善したい場合におすすめです。また、回数を重ねるごとに肌色が均一に整ってきます。
コラーゲントーニング
色素にダメージを与えると同時に、コラーゲンの生成を活性化させるため肌の新陳代謝が高まり、くすみのない肌に導きます。
また、ピーリング効果もあります。
フラクショナル
肌の表面に微小なマイクロレーザービームを点状照射(フラクショナル照射)し、皮膚の深部に熱ダメージを与えることで、古い皮膚から新しい皮膚を再生させる皮膚の創傷治癒力を促します。
薄いシミの改善の他、ニキビ跡や毛穴の縮小、傷跡修正などに効果を発揮します。
IPLフォトフェイシャル
IPLフォトフェイシャルなどの光治療では、IPL(Intense Pulsed Light=インテンス・パルス・ライト)という光を使用しています。
レーザーのようにシミに局所的に照射するのではなく、顔全体にフラッシュを浴びせるように照射するのが特徴です。
光を使ったマシンにはさまざまな種類がありますが、今回はその中の「セレックV」というマシンについて詳しく解説します。
セレックVは、波長幅が異なる複数のフィルター(アクネ菌を殺菌、血管病変、色素病変など)を付け替えることによって1台で波長を420〜1,200nmと調節でき、肌悩みに合わせた安全な照射が可能です。
これまでのIPLを用いた光治療マシンでは、色素沈着や肌の凸凹にアプローチすることは可能でしたが、赤ら顔の原因である血管病変の改善は困難でした。
セレックVは光治療の中でも、色素沈着や肌の凸凹の改善に加えて血管病変にも効果的なので、さらに透明感のある肌を目指すことができます。
まとめ
シミは一度できてしまうとなかなか消えないため、予防することが大切です。
原因は紫外線であることが多いため、毎日のUVケアをしっかりと行いましょう。
できてしまったシミをきれいに消すにはホームケアでは難しく、レーザートーニングや光治療などの美容医療がおすすめです。
また、シミには色々な種類があり、それぞれ対処法が異なります。
自己判断で行うとシミを濃くしてしまったり、肌が荒れてしまったりと、かえって悪化させてしまうこともあるため、専門医に診てもらうのが美肌への近道です。
参考文献
日本形成外科学会 しみ
https://jsprs.or.jp/general/disease/biyo/shimi.html
令和元年度厚生労働科学特別研究事業 美容医療診療指針 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/biyosinryo.pdf