深く刻まれた眉間のシワは、老けた顔の印象を招きます。眉間にシワができる原因はさまざまですが、加齢など避けられない原因もあります。一方で、セルフケアを心掛けることで予防、改善できるものも少なくありません。眉間のシワはどのような原因で引き起こされるのでしょうか? 適切なセルフケアと、改善しないときの対処法を詳しく解説します。目次眉間にシワができる原因は?眉間は顔の中でも人の目につきやすいパーツです。そのため、眉間のシワは目立ちやすく、顔の印象を大きく変えてしまう可能性があります。眉間のシワ対策を知る前に、まずは眉間のシワがどのような原因でできるのか、詳しく見てみましょう。肌の弾力低下私たちの肌の奥にある真皮には、コラーゲンやエラスチンなどの線維が存在しています。これらの線維は肌に弾力をもたらす働きがあり、奥から肌を支える重要な役割を担っています。しかし、コラーゲンやエラスチンは年齢を重ねると徐々に減少していく線維です。35歳を過ぎると生成量が減り、60歳になる頃には20代に比べてコラーゲンの量は半分になるとのデータもあります。年齢とともに肌の弾力が失われていく大きな原因の一つです。また、コラーゲンやエラスチンは紫外線のダメージを受けやすい線維です。繰り返しダメージを受けた線維は修復されにくくなるため、紫外線対策を行っていなければ若いうちからコラーゲンやエラスチンが減少していきます。特に眉間は物を見たり、顔をしかめたりするとシワが寄りやすい部位です。そのため、肌の弾力が低下するとともに一度寄ったシワが元に戻りにくくなり、深いシワが刻まれていきます。肌の乾燥肌の乾燥も眉間にシワができやすくなる原因の一つです。眉間は皮脂腺が多く存在するため、皮脂の分泌が多いパーツです。しかし、紫外線の刺激や空気の乾燥などによって乾燥しやすいパーツでもあります。肌表面の角質の水分が不足した肌は、肌の弾力性やキメの細かさが損なわれるため、細かい小ジワができやすくなります。特に眉間は表情ジワができやすいパーツであるため、表情ジワとともに小ジワが目立ちやすくなります。さらに、乾燥による角質のバリア機能低下が、眉間のシワを引き起こす原因になることもあるのです。角質には肌の水分を保持する他にも、紫外線や摩擦などの刺激から肌を守る役割もあります。肌が乾燥して角質の構造が乱れると、バリア機能は低下します。その結果、肌の奥にあるコラーゲンやエラスチンなどの線維がダメージを受けて、肌の弾力低下を引き起こすケースも少なくないのです。また、乾燥した肌はバリア機能が低下するため、水分が蒸発していきます。適切なセルフケアを怠ると、乾燥がどんどん悪化してシワが目立ちやすくなるという悪循環に陥るケースも少なくありません。表情筋の衰え私たちの肌の弾力は、上述したようにコラーゲンやエラスチンなどの線維によってキープされています。しかし、肌の弾力にはこれらの線維だけではなく、さらに奥にある表情筋の働きも大きく関係しています。表情筋とは、目、鼻、口、頬など顔のパーツを動かすために必要な筋肉の総称です。笑顔や怒り顔などを作る筋肉でもあるため「表情筋」と呼ばれています。表情筋も、他の筋肉と同様に年齢を重ねたり、動かす機会が減ったりすることで衰えていきます。目を細めるなど表情のくせによって眉間にシワができやすい方は、目や額周りの筋肉が衰えると、表情ジワが元に戻りにくくなるケースも少なくありません。まるで刻まれたような深いシワができてしまうこともあるため、注意が必要です。眉間のシワを改善するためのセルフケア眉間のシワの主な原因は、肌の弾力低下、乾燥、表情筋の衰えです。肌や表情筋の衰えは年齢を重ねることで引き起こされますが、適切なセルフケアを行うことで予防や改善も期待できます。眉間のシワを目立ちにくくするには、どのようなセルフケアが大切か、詳しく見てみましょう。乾燥対策眉間の細かい小ジワを予防、改善するには乾燥対策が大切です。眉間は、乾燥すると皮脂分泌が促されやすいパーツであるため、乾燥に気付かないケースも少なくありません。次のようなことに注意したスキンケアを心掛けましょう。洗顔や入浴後はできるだけ早く保湿洗顔や入浴後は、肌の保護に必要な皮脂まで洗い流した状態になります。必要な皮脂が失われた肌は皮脂分泌が促されますが、皮脂の過剰分泌が生じる前に化粧水や乳液で保湿ケアをしましょう。洗顔や入浴をした後は、時間を置かずにできるだけ早く化粧水で水分を補うのがポイントです。乳液やクリームで水分を閉じ込める化粧水で水分を補った後は、必ず油分のある乳液やクリームで肌に蓋をしましょう。補った水分は、肌の状態によってはどんどん蒸発してしまうケースもあるため、蓋をして蒸発を防いでください。眉間には皮脂が多いため、乳液やクリームなどで油分を補うのに抵抗があるという方も多いかもしれません。しかし、眉間の過剰な皮脂は、肌の乾燥によって引き起こされているケースも多いのです。べたつきが気になる方は、さっぱりしたテクスチャーの乳液やクリームを選んで保湿しましょう。紫外線対策顔は紫外線を浴びやすい部位であり、特に額や鼻などの出っ張ったパーツは紫外線のダメージを受けやすくなります。紫外線は肌の弾力を損なわせる原因になるため、眉間のシワを目立ちにくくするには、紫外線対策を徹底することが大切です。紫外線対策の要は日焼け止めです。紫外線は季節や天候によらず降り注いでいるため、外出するときは日焼け止めで紫外線対策をしましょう。車の中や建物の中でも、日が当たる場所に長時間いる場合は紫外線対策が必要です。ただし、日焼け止めの効果は2~3時間程度です。長時間外出するときは、2~3時間おきに日焼け止めを塗り直しましょう。特に、汗を多くかく季節は日焼け止めも流れやすいため、その都度塗り直す必要があります。その他、紫外線が特に強い夏の晴れた日などは、帽子や日傘で物理的に紫外線をカットするのもおすすめです。顔に陰を作ると体感気温も下がるため、熱中症対策にもよいでしょう。マッサージ眉間のシワは表情のくせが原因となることがあります。特に、顔の筋肉が硬くなっている方は、顔をしかめたときや目を細めたときに寄った表情ジワが元に戻りにくくなっています。表情を作った後に眉間のシワが残りやすい方は、顔の筋肉の緊張をほぐすマッサージがおすすめです。眉間の縦ジワが気になる方眉間の縦ジワは、眉毛の上にある皺眉筋が硬くなっている可能性があります。皺眉筋は、眉をひそめるときに動く筋肉であり、硬くなると眉間の縦ジワの原因になります。次のような手順でマッサージしましょう。・目を閉じて人差し指と親指で皺眉筋を優しくつまむ・皺眉筋をつまんだまま、上下左右に軽く揺らして円を描くように10回ほど軽く回す・この動作を左右とも5回繰り返す眉間の横ジワが気になる方眉間の横ジワは、左右の眉と目の間を走行する鼻根筋と呼ばれる筋肉が硬くなっている可能性があります。鼻根筋は、三角形の小さな筋肉ですが、硬くなると顔をしかめたときなどに眉間に横ジワを作る原因になります。次のような手順でマッサージしましょう。・額の皮膚を人差し指の中指で引き上げるようにつまむ・片方の手の指で鼻根筋を押さえたまま、額の皮膚をつまんだまま左右に揺らすように振る・この動作を10回繰り返す表情のくせを治す眉間のシワは、顔をしかめる、目を細めて物を見る、といった眉間に力が入りやすい表情を繰り返すことで、目立ちやすくなります。肌の弾力低下や乾燥なども、表情のくせによるシワを目立ちやすくする原因となりますが、シワを目立たなくするには表情のくせを治すことも大切です。眉間のシワは特に、険しい顔をしたり、物事に集中して目を細めたりするときにできやすくなります。表情のくせを治すのは難しいかもしれませんが、できるだけこれらの表情ジワができにくくなるよう注意しましょう。特に、目の疲れや視力が合わない状態が続くと、眉間に力が入りやすくなります。長時間のパソコンやスマホ操作は避け、近視や老眼がある方は適切な視力矯正をしましょう。深く刻まれた眉間のシワは治療が必要?眉間のシワは、今回ご紹介したようなセルフケアで予防やある程度の改善が期待できます。一方で、既に刻まれてしまった深いシワは、セルフケアだけでは改善できない場合があります。また、肌が薄いなどの体質によっては、丁寧なセルフケアをしても、眉間の深いシワを予防できない場合も少なくないでしょう。眉間のシワは顔を老けた印象にしてしまうため、悩まれている方は美容クリニックでの治療がおすすめです。美容クリニックでは、次のような治療が行われます。注入治療眉間に薬剤を注入することで、シワを目立ちにくくする治療です。眉間のシワに対しては、主にボトックス注射とリジュランiが行われます。ボトックス注射ボトックス注射は、ボツリヌス菌という細菌が作り出すたんぱく質から抽出した成分「ボトックス」を筋肉内に注射する治療です。ボトックスには筋肉の動きを抑える働きがあるため、表情筋による眉間のシワを目立ちにくくする効果が期待できます。永久的な効果はありませんが、一度の注入で半年ほどの効果があります。ダウンタイムがほとんどなく、治療当日からメイクやシャワーが可能なため、気軽にできるシワ治療です。リジュランiリジュランiは、サーモンのDNAから抽出した成分を肌に注入する治療です。シワのボリュームアップになるだけではなく、肌を刺激して自然治癒力を高める効果があります。そのため、肌の弾力低下や乾燥を改善して、眉間のシワができにくい肌の状態へ導いてくれる効果が期待できます。リジュランiもボトックス注射同様にダウンタイムがほとんどなく、当日からいつもと変わらない生活を送ることができます。注入時に内出血が起こることもありますが、1週間程度で引き、元通りになります。コンシーラーなどで隠せる程度のことが多いです。ハイフ(HIFU)ハイフ(HIFU)は、高密度焦点式超音波を肌に当てることで皮下組織や筋膜に刺激を与え、コラーゲンやエラスチンの生成を促す治療です。また、筋膜が引き締められるため、表情筋の衰えによる眉間のシワを改善する効果が期待できます。眉間のシワを目立ちにくくするだけでなく、肌質を改善してシワができにくい肌に導く効果もあります。効果の持続時間は1年ほどですが、痛みが少なく気軽に根本からシワを改善できる治療として人気があります。まぶたのたるみ改善加齢によるまぶたのたるみも、眉間のシワを目立ちやすくする原因になります。まぶたのたるみは、余った余分な皮膚を切除する手術の他、上述したハイフ(HIFU)などで改善することができます。長い効果を期待したい場合は手術による皮膚の切除が効果的ですが、ダウンタイムが長く痛みを伴いやすいのがデメリットです。一方、ハイフ(HIFU)はダウンタイムがほとんどなく、痛みも少ないため、気軽に治療を受けることができます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、カウンセリングなどで相談しましょう。 まとめ眉間のシワは、加齢や紫外線のダメージによる肌の弾力低下、肌の乾燥、表情筋の衰えなどによって引き起こされます。眉間に深いシワができると顔の印象を大きく変えてしまうケースも多く、年齢よりも老けて見える原因になります。眉間のシワは今回ご紹介したセルフケアを行うことで、予防や改善も期待できます。しかし、既に深く刻まれたシワは改善するのが難しいケースも少なくないでしょう。放っておくとさらにシワが深くなる場合もあるため、お悩みの方は美容クリニックで治療を受けるのがおすすめです。治療方法も、痛みが少なく手軽にできるもの、効果が長く続くものなどさまざまな方法があります。カウンセリングや診療を受けて相談し、ご自身に合った治療を受けましょう。