「なんとなく肌の色が暗い」「疲れて見える」など肌のくすみを感じることはありませんか?肌のくすみとは、肌の透明感が失われ顔色が暗く見えることをいい、男女問わず多くの人の肌悩みの一つです。反対に、肌の色が明るく透明感があると、若々しい印象を覚えるのではないでしょうか。本記事では、肌がくすむ原因と、原因ごとの対策について詳しく解説します。くすみにも色々な種類がありますので、自分に合った正しい方法で、くすみ肌を改善し健康的でクリアな肌を目指しましょう。目次くすみ肌の原因くすみは原因によって、茶色にくすむ、青黒くくすむ、灰色っぽくくすむなど、見え方が違います。一度くすんでしまうと、原因を取り除かない限り自然には消えにくいため、まずは自分の肌くすみの原因を知って対処することが大切です。そもそも「くすみ」とは「くすみ」は医学用語ではありません。透明感がなく肌が暗く見える状態を指し、人の見え方によって変わるため一定の定義がなく、メカニズムが解明されていないこともあります。ここでは、原因として考えられることと、見え方について解説します。血行不良睡眠不足や偏った食生活、運動不足などにより血行が悪くなると、肌の血色が悪くなり、青黒くくすみやすくなります。目の下のクマが目立つ、老廃物が滞って顔がむくむなどの場合は血行不良の可能性があるため注意が必要です。また、鉄分の不足により貧血状態であると、青くくすみやすいといわれています。乾燥きめの整った肌は光をきれいに反射させやすく、透明感があります。一方、乾燥して肌のきめが乱れ、凹凸があると光を均一に反射しにくく、灰色っぽいくすみの原因になります。メラニンの蓄積メラニンは黒色の色素で、私たちの肌の色などを構成しています。メラノサイトという細胞の中で、アミノ酸であるチロシンが変化してメラニンが作られますが、メラニンは本来紫外線から肌を守る役割があります。通常は皮膚のターンオーバーの周期によって排出されるため問題ありませんが、紫外線を大量に浴びてメラニンが過剰に作られると、茶色いくすみやシミの原因になります。くすみ対策くすみの原因はさまざまであり、原因に沿った対策が必要です。日頃からできるくすみ対策をご紹介します。紫外線予防紫外線は一年を通して降り注いでいるため、季節に関係なく日焼け止めを使用すること、UVカットの帽子や日傘、カーディガンを使用することを徹底します。また、皮膚のターンオーバーを正常に保つために、食事、睡眠、ストレスなどの生活習慣を見直すことも大切です。メラニンが蓄積した結果、一度でもシミやくすみができてしまうと、セルフケアだけでは改善が難しいため予防が大切です。保湿季節や空調などによって、肌は一年中乾燥しやすくなっています。乾燥は皮膚のきめを乱し、くすみを生じやすくするため、しっかりと保湿を行います。特に洗顔後は肌が乾燥しやすくなっているので、時間を置かずに乳液やクリーム、美容液で保湿するようにしましょう。また、乾燥する季節には部屋の湿度を保ったり、こまめに保湿したりと常に肌を乾燥させないことが大切です。角質ケアメイク汚れや皮脂が蓄積すると色素沈着や肌の酸化を起こしやすく、くすみの原因となるため、しっかりとクレンジングや洗顔を行うことが大切です。元々、皮膚にはターンオーバーといって、古い細胞が剥がれ落ち新しく生まれ変わるサイクルが備わっています。正しいクレンジングや洗顔で不要な角質を落とし、皮膚のターンオーバーを正常に保ちましょう。美白化粧品美白化粧品の成分として知られているのは、ビタミンC、ハイドロキノン、トレチノインなどがあります。<ビタミンC>ビタミンCは、メラノサイトの活性化やメラニンを作り出すチロシナーゼ酵素の産生、メラニンの生成などを抑える働きがあるといわれています。<ハイドロキノン>ハイドロキノンは高い還元作用を持ち「肌の漂白剤」とも呼ばれています。シミの原因となるメラニン色素を作り出す「メラノサイト」という細胞の働きを抑制することから、シミの予防やくすみの改善に使われています。<トレチノイン>トレチノインはビタミンAの誘導体であり、皮膚の新陳代謝を促進する効果を持っています。通常皮膚は新陳代謝で2か月程すると生まれ変わりますが、トレチノインを使用するとそのサイクルが短くなります。シミやくすみの原因であるメラニン色素の排出も早くなるため、美白治療に使われます。ハイドロキノンとトレチノインは併用して使われることも多く、トレチノインでメラニン色素を外に押し出し、ハイドロキノンで新しいシミを抑制するのが効果的です。ライフスタイルの改善睡眠不足やストレス、偏った食生活、運動不足は肌がくすむ原因となりますので、できるところから改善しましょう。睡眠少なくとも6時間以上取るようにしましょう。また、寝る前にパソコンやスマートフォンを使用したり、テレビを観たりすると睡眠の質が下がります。電気を消す、満腹状態で寝ないなど、時間だけでなく、良い睡眠が取れるように意識しましょう。ストレスストレスなく生活するのは非常に難しいため、上手に発散することが大切です。好きな音楽を聴く、散歩に出るなど、自分なりの発散方法を見つけておきましょう。偏った食生活肌の酸化を防ぐ抗酸化ビタミン、ビタミンA、C、Eを含む食品を積極的に摂取します。野菜や果物をはじめ、きのこ、海藻類など食物繊維を豊富に含む食品を摂り、便秘を防ぐことも大切です。運動不足血行不良を防ぐために、ストレッチやウォーキングを毎日行いましょう。筋肉があると代謝が良くなるため、スクワットなどの筋トレもおすすめです。なかなか改善しないくすみにはセルフケアや生活習慣の改善だけではなかなか改善しないくすみは、専門医に診てもらいながら美容医療を受けるのも美肌への近道です。肌への負担が少なく1回でも効果を感じやすいものもあるため、セルフケアでは改善が難しい、今すぐ改善したい、と感じたら専門医に相談してみましょう。レーザートーニングレーザートーニングは、微弱な力のレーザーを均一に照射し、肌への刺激は最小限にしながら色素(メラニン)のみを破壊する方法です。蓄積したメラニンに少しずつアプローチするため、シミやくすみを根本から改善したい場合におすすめで、回数を重ねるごとに肌色が均一に整ってきます。色素にダメージを与えると同時に、コラーゲンの生成を活性化するため、肌の新陳代謝が高まり、くすみのない肌に導きます。IPLフォトフェイシャルIPLフォトフェイシャルは、IPL(Intense Pulsed Light=インテンス・パルス・ライト)というフラッシュランプを照射して、シミ・くすみの原因であるメラニン色素や赤ら顔の原因であるヘモグロビンなど、いくつものトラブルに同時に働きかけ、肌を良い状態に導く治療法です。肌への刺激が少なく、ダウンタイム※が短いため、美容医療を今までに受けたことのない人でも気軽に受けやすい施術として人気を集めています。いくつものフィルターがあり、個人の症状に合わせたさまざまな肌悩みに対応できるのも特徴です。※ダウンタイム治療を受けてから、赤みや腫れなどが引いて皮膚の状態が落ち着くまでの期間のことです。治療の内容や個人の体質によって期間は異なります。ピーリングピーリングは、薬品などを用いて肌の表面の角質層を柔らかくして、剥がし落とす方法です。皮膚の古くなった角質層を取り去ると、新しい皮膚が生まれやすくなり、ターンオーバーのサイクルを整えるとされています。セルフケアでも、ピーリング成分を配合した化粧品などがありますが、皮膚に炎症を起こしていたり、バリア機能が低下していたりするときには使用できない場合があります。そのため、医療機関で自分の肌に合っているかを確認しながら行うのがおすすめです。一般的に、医療機関で行うピーリングは、エステやセルフケアで使用するものよりも皮膚の深くまで作用します。 まとめくすみは肌の色を暗くさせ、疲れた印象や老けた印象を与えやすくなります。原因は紫外線であると思われがちですが、それだけではなく、血行不良や乾燥などが青黒いくすみや灰色がかったくすみを引き起こすこともあります。セルフケアだけではなかなか消えないくすみには、レーザートーニングやIPLフォトフェイシャル、ピーリングなどの美容医療が効果的です。肌への負担が少なく、1回の施術で効果が見られることもあるので、普段のセルフケアと合わせて行うのが美肌への近道になります。肌トラブルは自己判断で行うと、さらに状況を悪化させてしまうこともあるため、専門医に診てもらいながら改善するのがおすすめです。参考文献令和元年度厚生労働科学特別研究事業 美容医療診療指針https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/biyosinryo.pdf