子どもの頃からそばかすに悩まされている人は多いのではないでしょうか。そばかすは遺伝的な要素が関わっていますが、それだけではありません。本記事では、そばかすの原因やそばかすが悪化しない方法、主な治療法について詳しく解説します。 目次そばかすの原因そばかすは遺伝要素も大きいシミの一種ですが、遺伝要因だけではありません。遺伝でそばかすができやすい体質の人もいますが、環境や生活習慣が影響を与えることもあるため、予防には多角的なアプローチが必要です。遺伝そばかすの大きな原因の一つは「遺伝」です。そばかすは、遺伝的にメラニンが過剰に作られやすい体質を持つ人にできやすいことが知られています。メラニンは肌や髪の色を決める色素ですが、フェオメラニン(赤や黄色の色素)とユーメラニン(黒や茶色の色素)の2種類があります。遺伝的にフェオメラニンが多く生成されやすい体質の人は、紫外線を受けることでそばかすが現れやすくなります。ユーメラニンとフェオメラニンのどちらが多いかは遺伝で決まりますが、欧米人にはフェオメラニンが多く、日本人をはじめとした東洋人はユーメラニンが多いとされています。そのため、欧米人の方が日本人に比べてそばかすがある人が多いですが、日本人でも遺伝的にそばかすができやすい体質を持った人はいます。紫外線そばかすは、主に紫外線によって引き起こされる皮膚の色素沈着です。紫外線を浴びると、皮膚内でメラニンという色素が生成され、これが肌の表面に現れることでシミやそばかすができます。そのため、そばかすが特に現れやすいのは顔や腕など、紫外線を浴びやすい部分です。紫外線には紫外線A(UVA)と紫外線B(UVB)があり、UVAは皮膚の深層にまで届き、シワやたるみなどの老化や色素沈着を引き起こします。一方、UVBは皮膚の表面に影響を与え、日焼けやそばかすの原因となります。間違ったスキンケア洗顔のしすぎや刺激の強い化粧品の使用、摩擦を伴うスキンケアなど、「間違ったスキンケア」もそばかすの原因になることがあります。ピーリング効果のある洗顔料やアルコールを含む化粧水など、刺激の強いものを頻繁に使用すると、肌の乾燥や炎症を引き起こしやすくなり、肌のバリア機能を壊すことからメラニンの生成を促進してしまうのです。また、乾燥している肌は紫外線の影響を受けやすくなるため、保湿が不十分だとそばかすができるリスクが高まります。生活習慣「生活習慣」もそばかすの原因になることがあります。食生活の偏りによりビタミンCやEが不足すると、メラニンの生成を抑える働きが弱まり、肌が紫外線のダメージを受けやすくなります。睡眠不足やストレスも肌の健康に影響し、質の良い睡眠が不足すると肌のターンオーバーが乱れ、メラニンが正常に排出されなくなります。また、喫煙は血行を悪くし肌の老化を早め、そばかすが目立ちやすくなる可能性があります。そばかすができやすい人の特徴そばかすができやすい人には共通する特徴が見られます。当てはまることが多い場合は、紫外線や生活習慣などにより注意し、そばかすを予防していくことが大切です。色が白い色が白く元々色素が薄い人が、そばかすができやすいといわれています。このような肌質の人は、紫外線を浴びるとメラニンが過剰に生成され、そばかすとして現れることがあります。また、色白の肌は日焼けをしにくい一方で紫外線に敏感なため、わずかな日焼けでも色素沈着を引き起こしやすく、これがそばかすとして現れる原因になります。髪色が茶色いメラニンは髪の色にも影響を与え、黒髪や茶髪、金髪、赤髪などは、メラニンの種類や割合によって決まります。髪色が茶色い人は、メラニンのうちフェオメラニンの割合が多く、そばかすができやすい傾向があります。肌の色と同様に、メラニンの割合は遺伝による影響が大きいものです。親や親戚にそばかすがあるそばかすは、遺伝によって発生しやすい体質を持つ人に現れることが多く、家族にそばかすがある人がいる場合、その子どもにも発症しやすいといわれています。メラニンの生成に関わる遺伝子に関連しており、紫外線を浴びるとメラニンが過剰に生成される体質を持つことが多いため、親や親戚にそばかすがある場合、紫外線を浴びることで同様にそばかすができやすくなるのです。そばかすの治療法そばかすの治療法は、セルフケアから美容クリニックを受診して行う方法など、さまざまな方法があります。紫外線対策紫外線はメラニンを過剰に生成させ、そばかすを悪化させる主な原因となるため、年間を通して紫外線を避けることが予防と治療のカギとなります。具体的には以下の方法があります。・日焼け止めを毎日使用・帽子や日傘を使って物理的に紫外線を遮断する・UVカットの衣類を着る・サングラスを使って目の周りの紫外線を防ぐこれらの紫外線対策を徹底することで、そばかすの進行を防ぎ、改善することが可能です。内服薬内服薬は、主にメラニンの生成を抑制したり、肌のターンオーバーを促進したりすることで、そばかすの改善を目指します。代表的な内服薬として、ビタミンCやトラネキサム酸などがあります。ビタミンCには、メラニンの生成を抑制し、肌の明るさをアップさせる効果があります。トラネキサム酸には、シミやそばかすの原因となる炎症を抑える作用があり、服用することで美白効果が期待できます。内服薬は医師の処方を受けて自分にあったものを処方してもらうようにしましょう。そして、効果を得るためには、長期間継続することが大切です。化粧品美白成分を含む化粧品は、そばかすの改善や予防に役立ちます。代表的な美白成分として、ビタミンC誘導体、アルブチン、トラネキサム酸などが挙げられます。ビタミンC誘導体は、メラニンの生成を抑制し、肌の明るさを改善します。また、アルブチンにはメラニンの合成を抑える働きがあり、シミやそばかすを予防する効果が期待できます。トラネキサム酸には、炎症を抑えることで色素沈着を防ぐ作用があります。美容クリニック受診美容クリニックでの治療は、専門家によるアドバイスと効果的なアプローチが得られるため、そばかすを確実に改善したい人におすすめです。事前にしっかりとカウンセリングを受けて、自分に合った治療法を選びましょう。代表的な治療法として、レーザートーニング(レーザー治療)やIPLフォトフェイシャル(光治療)があります。美容クリニックでできること美容クリニックではシミ、そばかすに対してレーザートーニング(レーザー治療)やIPLフォトフェイシャル(光治療)に加えて、「ピーリング」や「ハイドラジェントル」、「エレクトロポレーション」も人気の治療です。いずれもレーザートーニングやIPLフォトフェイシャル(光治療)と合わせて行うとより効果が得られやすく、肌状態をしっかりとカウンセリングしてもらいながら、自分に合った施術をみつけましょう。まとめそばかすは遺伝的な要素に加えて、紫外線や日常生活も影響します。セルフケアで悪化させないことはできても消すのは難しく、自己判断で行うとかえって悪化させてしまうこともあるため、美容クリニックを受診して専門のスタッフに相談することがおすすめです。美容クリニックでの施術は単独でも効果がありますが、併用して行うことでより高い効果が得られやすくなります。 参考文献日本形成外科学会 シミ https://jsprs.or.jp/general/disease/biyo/shimi.html令和元年度厚生労働科学特別研究事業 美容医療診療指針https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/biyosinryo.pdf日本化粧品協会 紫外線防止の基本https://www.jcia.org/user/public/uv/prevent